Webサイトを空間としてデザインする

Jan 18, 2026( Webサイト制作

Webデザイナー業務に加えて、XRアーティストとしても活動を始めてから3年と少したちました。
最近、WebデザインとXR作品制作が、自分の中でどのように影響し合っているのかを考えていて、そもそも私はWebサイトを「平面」ではなく「空間」だと捉えてるなー、と気が付きました。

XR、とくにVRは「空間のメディア」です。
そこでは、
・人がどこに立っていると感じるか、どこへ向かいたいと感じるか
・視線がどこへ自然に流れるか
・安心感を与えるのか、緊張感を与えるのか
・長く留まりたいか、早く出たくなるか
といった身体的な感覚が、ユーザーの行動に大きな影響を与えます。

それでふと気がついたのが、私にとってはWebデザインも同じだということ。
Webサイトを作るとき、私はどうもWebサイトを平面だと捉えていないような気がするのです。

化粧品を手に取った時の、香りや付け心地の気持ち良さ、店舗の雰囲気
料理教室の清潔なキッチン、食材や調味料の匂い、話し声、調理をする音
展示会場での作品と作品の間の余白、アーティストによる語り、静寂
そういった、クライアントさんの活動が息づく空間を、Webサイトの中に再現する。

だからなのか、デザインしている時はWebページの中に身体があるような感覚があります。
ページの余白は、呼吸のため。
テキストは、クライアントさんの声。
スクロールは、空間を歩くこと。
ページ移動は、部屋の移動。
XR作品を手がけるようになってから、こういった身体性の実感がさらに深まったような気がします。
そもそも、コロナ禍でオンライン展示をデザインした事で「もっとリアリティのある鑑賞体験を実現したい!」という欲求が高まってVRに進んでいったので、当然と言えば当然なのですが。

以前、Webサイトを作らせていただいた加藤 智哉さん(絵描き、ギャラリスト)から、「ネット世界の風の谷みたいな大切な場所」 と言っていただいたこと、
あるいは、カシワイさん(漫画家、イラストレーター)からは「インターネットの海における自分の島のような場所」 と表現していただいたことがあって、とても嬉しかったのですが、多分それは私がWebデザインを空間作り・場所作りと捉えているからなんだろうなと思います。

この20年程はGoogleなどの検索エンジンで上位表示させる事こそがWeb制作の要という時代が続いてきましたが、何かを調べたい時に検索ではなくAIに聞く、という事も増えてきました。

AIが提案するリストの中に入れるかどうかという視点も生まれてきましたが、AIの進化の行き着く先を想像してみると、結局は「あなたの仕事/作品を必要としている誰かのための設計」が最適解なのではないかという気がします。

「購入」や「依頼」などの実際の行動に移るときの決め手になれるかどうかが、これからのWebサイトに求められる役割になるのかな、と思います。
AIは調べ、提示する。でも決定を下すのは人間。そして決定には、「しっくりくる」というような身体性を伴う納得感が必要。

「身体性の高いWebサイト作り」を、2026年は意識してみたいと思います。

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