webデザイナーと英語学習

Apr 30, 2021( Webサイト制作

webデザイン業務のために英語学習を開始して5年以上たちました。少しずつ実務で役に立つようになってきましたが、これまでちゃんと振り返ったことがないので、英語との関わりについてまとめてみました。

英語やった方がいいか迷ってるwebクリエイターか、20年近いブランクを経た英語学習に興味がある方向けです。

最初のきっかけ

みふくデザインのクライアントさんには、美術作家、イラストレーター、フォトグラファーなどクリエイターがたくさんいて、海外マーケットを意識している方がとても多いです。

当然webサイトも日英バイリンガルにする事が多いのですが、日本語でデザインしたサイトのテキストを英語に差し替えるだけで良いのか、という点がずっと引っかかっていました。
海外企業サイトの日本語版ページには、テキストの改行が不自然だったり、スムーズに情報が入ってこないということが度々見られます。それが逆のパターンでも起こっているのでは?と思うのです。英語のサイトには英語に適したデザインがあるはずです。

英語ネイティブが見て違和感を感じないようにするには、英語サイトをたくさん見てデザイン感覚を身に付けるしかありません。でも、書かれている内容を理解して見ていないと、脳が英文を「かっこいいグラフィック」として処理してしまい、肝心の「伝えるべき事をスムーズに伝えられるデザインになっているか」を判断できていないな、と思いました。
書かれている事をちゃんと理解しながら、苦労なく英語サイトを見られるようになりたいと思ったのが、英語学習を始めた動機です。

ウォーミングアップ グループレッスン

学生の時は英語は得意な方だったのですが、卒業後はまったく触れていなかったのでかなりのブランクがありました。

まずは英語との距離を縮めてみよう、という気持ちで友人の翻訳家 松嶋 友紀さんが主宰する英会話のグループレッスン「ESS」に参加し始めました。

ESS(えいご・しゃべれ・そう)


「ESS」とは「えいご・しゃべれ・そう」の略で、この力の抜けた感じが、長いブランクを経て英語を再開した私の気分に合っていたのです。
本当に基本的な文法さえすっかり抜けていたので、ただ参加してなんとなく英語を聞いているだけ、というゆるゆるウォーミングアップの期間が1年近くありました。

Thank you! 連発→話したい欲求に火が付く

何もなければそのままゆるゆるウォーミングアップの状態をずっと続けていたかもしれませんが、転機がやってきました。

2016年にあるアーティストの作品納品の付き添いでシンガポールに行った時のこと。作品を購入されたCさんという方が、多忙な中貴重な時間を割いてあちこち案内して下さって、感謝の気持ちを伝えたいのに「Thank you!」しか出てこない。もっと伝えたい事があるのに!という強烈な「話したい欲求」に襲われました。

それでも「ウォーミングアップ期間」に少しだけ思い出していた中学・高校英語を無理やり駆使して何とかコミュニケーションが取れた、というのも、「ちゃんとやれば話せるようになるのかもしれない」と思うきっかけになりました。
それまでは「英語を話せるようになんてなるわけない」と思い込んでいたので。

日本に帰ってきてから、すぐにESSの松嶋さんにお願いして個人レッスンをしてもらう事にしました。

基本の文法のやり直し

まずは中学・高校英語のやり直しという事で買ったのが「一億人の英文法」大西泰斗著。

なぜこの本にしたのかは覚えてないんですが、たぶんどこかの英語学習ブログでおすすめされていたんだと思います。
webの新しい技術を勉強する時と同様、まずは基本になる構文を全部理解しておきたかったのです。なおかつ「話すための英文法」と銘打って、話す時の「心の動き」が文法に表れる、という視点で説明してくれているのが私には理解しやすかったです。
線を引きつつ、例文を声に出しつつ、理解できない所が出てきたら松嶋さんに尋ねる、という方法で読みました。

オンライン英会話

松嶋さんの個人レッスンを週一回受けるようになってから数ヶ月後、松嶋さんがしばらくアメリカに行く事になりました。その間英会話レッスンの相手がいなくなってしまうからどうしようかな、と思って始めたのがオンライン英会話です。たくさんありますが私はずっと「レアジョブ」を利用しています。他のサービスは試した事がないので比較ができませんが。

レアジョブ英会話

こういったオンライン英会話のメリットは「英語しか通じないから英語を話すしかない」「話す回数を増やせる」という点につきると思います。最初のうちは本当に日本語がまったく通じない緊張感がすごくて、週に2〜3回受けるのがやっとでした。数ヶ月続けてみて顔見知りの先生が増えてきた事もあり、毎日受けるプランに変更しました。(今は初対面の先生でも緊張せずに話せるようになりました。)

レアジョブにはいろんな教材が用意されていて、最初の一年程は「日常英会話」の教材を順番にやっていきました。その後はずっと「Daily News Article」というのをやってます。毎日更新されるニュース記事を音読し、内容理解についていくつか質問に答え、全体の概要を述べ、最後に記事の内容についてディスカッションします。
ビジネス、環境、科学、教育、テクノロジーなど幅広いジャンルからニュースがピックアップされているので、まったく興味の持てない記事である事も多く、普通だったら知る機会がないだろうなという記事が読めるのが良いです。ニュース記事なので文章は硬めで、日常会話では使用頻度がかなり低そうな単語や表現なども多いのですが、おかげで英語長文を読むのが苦にならなくなってきました。

私は大変な怠け者なので、「朝起きたらまずレッスン(30分)」「寝る前に次の日の予習(30分)」というふうに、日々必ず行う行為にくっつけて習慣化しました。これでどんなにやる気がなくても毎日最低1時間は英語に触れられます。

発音について

英語の勉強をしばらく続けていて、自分の発音がテレビや映画で聞くネイティブスピーカーの発音と違うという事が分かるようになってくると、それが気になるようになってきました。発音に関しては先生を見つけるまで結構YouTubeにお世話になっていました。有名どころ(バイリンガールさんとか)も見てましたが、今でもずっと見ているのはこれ

あいうえおフォニックス

朝ごはんを食べながらこれを見るのが日課になってます。バイリンガルの男の子と女の子が声の出演、動画作成をお母さんがされているのですが、とても分かりやすいし発音がきれいで声がかわいいです。

そしてこちら。

1分で英語発音

動画数はそんなに多くなかったのですがとても説明が分かりやすいし、発音がきれい。調べてみるとオンラインレッスンをされている事が分かり、コンタクトを取りました。
1年ちょっとかけて母音と子音をひとつひとつ矯正してもらい、「なんとなくこんな感じかな〜」とあやふやだった所がクリアになりました。Meg先生は英語ネイティブではないので、日本人が英語発音を学ぶ時のポイントを的確に教えてくれます。
母音子音が一通り終わったので、今は会話の中での実用的な発音を教えてもらっています。

発音をちゃんとやった後、リスニング力も上がりました。知ってる音しか聞き取れないと言われるのがよく分かりました。

ESS個人レッスン

松嶋さんの個人レッスンは現在も月一回続けています。
近況とか最近考えていること、悩んでいること、おいしいお店、おもしろかった展示や映画、などなど、たわいもないおしゃべりを英語でしています。
極力難しい単語は避け、シンプルな文法での英語を話してくれるので聞いていて疲れないし、私が話している途中で何が言いたかったのか分からなくなったら助け舟を出してくれたりと、会話を楽しませてくれます。

レッスン中、会話の中で新しく出てきた表現や改善できる表現をメモしてくれていて最後に渡してくれるので、後で見返すとその時話していた話題を思い出せておもしろいです。自分が伝えたかった事に直結した表現はやはり記憶に残りやすいです。

松嶋さんの個人レッスンに関しては、英語学習というより本当に月一のおしゃべりの時間という感じでとても楽しいです。

ESS(えいご・しゃべれ・そう)

5年続けた結果

こんな感じで5年以上毎日英語をやってきて、今の英語レベル(という言い方はしっくりこないんですが)はどのくらいになったか?
私はTOEICや英検などは受けていないので、5年前と比べてどういう事ができるようになったか比較をしてみました。

リスニング

5年前:映画やドラマの英語は単語もキャッチできない。何言ってるのかさっぱり分からない。
現在:映画、ドラマの英語は単語はキャッチできるけど理解度は半分ぐらいの体感。英語字幕が付いていればリスニングとリーディングの合わせ技でほぼ理解できる。
Appleの基調講演は字幕なしで理解できる。(英語ネイティブじゃない人にも伝わるようにめちゃくちゃ分かりやすくできていて、本当にすごいな〜と感心します)

スピーキング

5年前:日本語禁止、英語のみでの会話だと5分ぐらいが限界。めちゃくちゃ疲れる。言いたい事をほとんど伝えられない。話してる途中で何を言いたかったのか分からなくなる。
現在:松嶋さんが相手なら英語のみで1〜2時間話しても疲れない。英語に感情が乗るようになった。レアジョブのフィリピン人の先生とは、近況や自分の事についてなどはすらすら話せるけど、時事問題など硬い話題や今まで考えた事のないような話題だと思考の方に脳の領域を取られて英語が出てきにくくなる。

リーディング

5年前:Webに関するニュースなど、日本語に翻訳されるまで読めなかった。
現在:WebやTech系のニュースサイトは英語で読めるようになった。でも2〜3000文字以上ぐらいの長文になってくるとちょっと気合がいる。

5年前:英語版しかないアプリケーションやwebサービスは使用を諦めて日本語版が出るのを待っていた。
現在:英語版しかないものも普通に使えるようになった。

5年前:webコーディングやアプリケーションのトラブル解決などで検索する時、日本語の情報しか頼れない。
現在:英語で検索できるようになった事で得られる情報量がめちゃくちゃ増えて、それで解決できた事多数。
webクリエイターは英語できたほうがいい!もっと早くやっておけば良かった……。HTML, CSS, JavaScript, PHPとか少しかじっているだけでかなり土台はできてると思います。

ライティング

5年前:使える構文が少ししかないので、言いたいことのニュアンスを文章で表現できない。まず日本語で考えて、それを英語に訳すという段階を踏むので書くのも時間がかかる。
現在:自分が普段考えていることや実際に起こったことなどは、日本語を介さずに最初から英語で文を組み立てているような気がする。時事問題や硬い話題などの「難しい話」ではそのやり方だと詰まることがあるので、一度頭の中で日本語の文章を作ってから英語に訳すという作業をしている。
ライティングは長文でもあまり苦にならない。

一番大事な最初の目的:英語webサイトの理解度について

5年前:英語のサイトを見ても書かれている内容が分からず、表面的なかっこよさしか分からなかった。
現在:英語のサイトを「伝えるべき事をスムーズに伝えられるデザインになっているか」という視点で(だいぶ)見られるようになった。いわゆる「解像度が上がった」感じ。

とはいえまだまだ全然完璧に理解できているわけでもないし、これから先も学習はずっと続くんだろうなと思います。
次は「10年経ちました」くらいのタイミングでまとめてみようかな。

今の目標は

  • 長文でも日本語と同じくらい無理なく読めるようになる
  • 難しい話題の時、思考のほうに脳の領域を取られていても無理なく英語で話せるようになる

ですかねー。

これからもマイペースにのんびりやっていこうと思います。