あなたの眼はわたしの島

Jul 31, 2021( Art

京都での展示会期中に上げたかった記事なのですが上げそびれてしまって、会期終了してしまった。でももうすぐ水戸芸術館での巡回展も始まることなので公開しておこうと思います。

2021年4月6日〜6月20日、京都国立近代美術館で開催された「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island -あなたの眼はわたしの島-」がとても良かった。

緊急事態宣言で一度休館してしまったけど、他の美術館に比べて早めに再開してくれた。SNSかどこかで誰かが金曜・土曜の夜間開館がおすすめと言っていたのを読んだ気がするので金曜日の夜に行ったのだが、展示室は自然光が入らないので昼でも夜でも印象は変わらないと思う。

夜に見た方がいいのはこれかなぁ。「Hiplights」

分かりづらい写真ですいませんが、パンツのライトです。これは美術館の外に展示されているので誰でも見られる。

まず気に入ったのは階段の踊り場に展示されている80年代、ピピロッティが学生時代に作った映像作品「I’m Not The Girl Who Misses Much」
いわゆる「20歳の自画像」的な作品だなぁと思う。

なんとなく自分の20歳ぐらいの頃の焦燥感を思い出す。

そこからさらに階段を上がって本会場に入っていくんですが、ここから土足厳禁になります。

靴(私の場合は着物なので草履)を脱ぎ、足袋でペタペタと美術館の冷たく硬い床を踏んで歩き回るのは不思議な感覚です。梅雨の夜なので、少し冷たく感じる。

しばらく進むとふかふかのカーペットが敷いてあり、気持ちの良いクッションに座ったり、ベッドに横になったりして映像作品を鑑賞します。

「くつろいでね」というピピロッティの声が聞こえてくるよう。

彼女の作品はジェンダーや身体、自然をテーマにしていて、表現はけっこう強め。だからこそリラックスとの対比がとても魅力的なんだと思う。信頼できる友達と突っ込んだ話をするような心地よさです。

代表作「Ever Is Over All」も爽快で奇妙な夢のようで好きだし、「Sip My Ocean」で遠くから割り込んでくる「I don’t want to fall in love」という絶叫は、2ヶ月以上たった今でも耳に残っている。

最後の部屋はまさにピピロッティ流リビングルームという感じ。
椅子に座っていいのか美術館スタッフさんに尋ねた所OKという事で、食卓につかせてもらう。

コロナ禍でピピロッティが来日できず、リモートでの指示でインストールが行われたという事で、大変だっただろうけど、とても良い展示だった。

先日、画家の友人と「良い展示とは良い会話のようなものでは?」という話をしていたのだけど、そういう意味で言うと、この展示では初期の「私の叫びを聞いてくれーー!」という姿勢から、「くつろいで、話しましょう」という姿勢への変化を見たような気もする。
試行錯誤しながら、何とかして伝えようとしてくる、そういう人に会うとこちらも応えたいと思う。それが良い会話になり、良い展示になるんじゃないでしょうか。

水戸芸術館での展覧会の情報はこちら。

【展覧会概要】
展覧会名:ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island -あなたの眼はわたしの島-
会  期:2021 年 8 月 7 日(土)~ 10 月 17 日(日)
開場時間:10:00~18:00(入場は 17:30 まで)
会  場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
出品作家:ピピロッティ・リスト
休 館 日: 月曜日 ※祝日の場合は翌火曜日
入 場 料:
一般 900 円、団体(20 名以上)700 円
高校生以下/ 70 歳以上、障害者手帳などをお持ちの方と付き添いの方1名は無料
※学生証、年齢のわかる身分証明書が必要です
※一年間有効フリーパス → 「年間パス」2,000 円
◎学生とシニアのための特別割引デー「First Friday」
→ 学生証をお持ちの方と 65 歳~ 69 歳の方は、毎月第一金曜日(9 月 3 日、10 月 1 日)100 円
◎京都会場の入場券半券の提示で当日券が 200 円割引!※1 名様 1 回有効。招待券、招待状を除く。
他の割引とは併用できません。

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