プレスリリースを作ってみよう
前回は「写真家のための広報力アップ戦略会議」というトークをきっかけに、「広報をやってみよう!」と思った所まででした。
普段、私はWebサイトやSNSを使ったインターネット上での情報発信が専門で、新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどを利用した広報の経験はありません。「プレスリリース」もよく聞くけれど、ちゃんと作ったことはなし。
良い機会なので、目前に迫ったactの展覧会「_act_RELATE つたえる を つくる展」の広報をやってみる事にしました。
actは私が参加している美術作家・デザイナー・カメラマン・翻訳家などが集うクリエイターのチームで、展覧会の開催や作品集の制作など、さまざまな企画に参加しています。
今回は2020年2月に、豊中市の主催で展覧会をさせていただく事になっています。
こちらが展覧会のフライヤー(チラシ)です。
まずは前回の記事で教わった、プレスリリースに掲載する内容をおさらいしておきます。
①タイトル(写真集なら本のタイトル)
②誰(写真集なら誰が撮ってるのか)
③何(写真集なら何を撮ってるのか)
④付随する情報(写真集なら展覧会があるのか)
⑤何か目を引くようなトピックス
①タイトル
まずはタイトルです。「_act_RELATE つたえる を つくる展」が展覧会名ですが、プレスリリースのタイトルには「豊中市主催」という文言を入れて、市の主催という事を冒頭でしっかり伝えます。英語にはルビ(ふりがな)をちゃんと付けます。
②誰 ③何
この展覧会は誰がやっていて、何の展覧会なのかを簡潔に述べなければいけません。
ステートメントはこちらです。
ふだん、ギャラリーで紹介されるのは、つくり手の作品です。
絵や彫刻といった作品がひとつの「表現」であるように、
作品を「つたえること」もまた、「表現」だったりします。
[絵を描く・写真を撮る・言葉を編む・翻訳する
デザインする・宣伝する・展示を組み立てる]
展覧会をつくるにも、たくさんの役割があるのです。
それは、ひとりではできません。わたしたち「act」は、「 絵描き・デザイナー・写真家・翻訳家 」など、
さまざまな役割のひとたちが集まり、一緒に展覧会をつくります。
それぞれの「表現」を重ね合わせ、
作品を「つたえることをつくる」のです。
本展では、絵描きの作品だけではなく、
関わりあうひとたちの工夫や役割もご紹介します。
ワークショップでは、本展をつたえるための「案内状」を
actメンバーと一緒につくります。お子さまやご家族もお気軽にご参加いただける、
「絵をえがく・かんしょうする・もちかえる」体験もあります。
つたえることを、一緒につくりに来てください。
ここから、「誰がやっているのか」を説明している一文を抜き出します。
わたしたち「act」は、「 絵描き・デザイナー・写真家・翻訳家 」など、
さまざまな役割のひとたちが集まり、一緒に展覧会をつくります。
「何の展覧会なのか」を表す文章も。
それぞれの「表現」を重ね合わせ、
作品を「つたえることをつくる」のです。本展では、絵描きの作品だけではなく、
関わりあうひとたちの工夫や役割もご紹介します。
さらに、キャッチコピーとして、この展覧会を一文だけで表現してみようと思います。
actメンバーに相談したところ、「デザイナー」「フォトグラファー」など具体的な言葉が入っていると良いのでは、というアドバイスをもらいました。
「絵描きの作品だけではなく、デザイナーやフォトグラファーなど関わりあうひとたちの工夫や役割を紹介する展覧会。」
めちゃくちゃざっくり言ってしまえばこういう事になるかと思います。これを大きく太いフォントで表現して「一目で見てなんとなーく概要を把握できる」ようにします。
「絵描き」「デザイナー」など、ポイントになる単語には、背景に色を敷いて目に入りやすいようにしました。この色はフライヤーで使われている淡い緑色にして、イメージを統一させます。
④付随する情報
展示会期中、関連イベントとしてワークショップを開催しますので、その情報を掲載します。
日時・定員・予約がいるかどうか等、重要な情報が漏れていないかどうか気をつけます。
⑤何か目を引くようなトピックス
actは2014年から活動を始め、活動を楽しみにしてくださっている方々もいますが、名前を出すだけで目を引くような知名度があるわけではありません。そこで、知名度抜群なブランドの名前を借りることにします。「無印良品」です。
2018年にグランフロント大阪の無印良品にある「Open MUJI」というギャラリースペースで、展覧会とワークショップを開催しました。それが今回の豊中市主催の展覧会にも繋がっています。今回のワークショップも近い雰囲気になる予定ですので、その時の写真を掲載しました。「市主催」という少し硬い雰囲気が少し柔らかくなり、市民の皆さんに親しみを持っていただけるのではないでしょうか。
一番下に「act」のプロフィールと簡単な展示歴、取材の問い合わせ先をしっかり記載します。
フライヤーとポスターの画像を配置して完成です。
pdfはこちらからダウンロードできます。
https://act-art.jp/release/
やっとプレスリリースができましたが、今度はこれを情報に興味を持っていただけそうなメディアに送っていかなければいけません。
次回はプレスリリース送付編です。